バス・ラプソディー/三浦 修
2月の末に発売されたこの本が昨日やっと届いた。
僕は活字に弱いので一気に読破なんて芸当は出来ない。
一つ一つのエピソードを噛み締める様にゆっくりと読ませて頂いている。
だからまだ内容を自分なりの感想が書けるほどにも至っていないので、今回は感想では無く75年生まれで83年・84年あたりにブラックバスと出会った僕がこの本のページをめくりながら感じた事を少し。
ハッキリ言って年代的にはドストライクの本でした!
内容も実に読み応えがあるのに明快で、何より僕には空気感がたまらなかった。
ただ、残念な部分もあった。
それは、僕が田舎の生まれ育ちなもんだから、当時雑誌の中に紹介されていたフィールドやルアーは実際に行く事も見る事も触る事も出来ない僕の憧れの中にしか無い二次元な物だった。
だから、この中で紹介されているルアーの中に直接の思い出のあるモノもあったけれど、結構な確立で憧れだけで実際目にしたり手に出来たりしたのは随分後になってからと言うものもあった。
でもですね、僕はやっぱりこの本のページをめくり、写真を眺めながら自分自身が小学3年生の放課後に戻って行ったのを確信したんです。
きっと大人になるまで出会う事は無いであろうと思って居たブラックバスとまさか自宅から数キロ先の野池で出会って、初めてエラ洗いでバラシタ夕暮れに。
そして、そこのポイントに連れて行ってくれたお兄さん達に見せてもらったタックル、雑誌、カタログ。
その全てがドンドンと記憶を逆流して頬を緩め、目頭を熱くさせた。
ルアーの手触り、臭い、見古した本のページの折れ方擦れ方、放課後の暗くなるまでの僅かな時間でも野池に通い、帰りにお兄さんの家の倉庫でひたすら眺め続けた二次元の憧れのタックル達。
今の様にボタン一つで世界の情報を検索する事は出来なかったけれど、小さかった僕には両手から少しはみ出るほどの小さな紙の世界からページをめくる度にドンドン広がる想像のバス釣りの世界に羽ばたけた。
お小遣いもままならなかった小学生の僕にとって、お古以外のタックルが増えるなんて事はそうそう無かった。
だから紙の世界で見た、知ってるだけのルアーを自分のルアーを改造して作った。
決して上手なモノなど作れはしなかったけれど、僕にとっては新しいモノを使える事が喜びだった。
今でも昔の雑誌の切り抜きやカタログをいつも見ている。
今でも僕にとって紙の世界は子供の頃と変わる事無いお気に入りのタックルボックスなんです。
そして、今回のバス・ラプソディーは2次元だった紙のタックルボックスに新たな奥行きを作ってくれる本な気がした。
きっとこの先何度も読み返し、そしてまた自分のタックルボックスを眺め、カタログを眺めて自分自身のブラックバスを考えると思う。
僕はトップウォーターが勿論好きだけれど、何よりもブラックバスと遊べるバス釣りと言う世界そのものが好きなんだと改めて思った。
近年バスのトップウォーターから始められた方も多いと思う。
そう言う方達にはこの本の中のルアーについてはピンと来ないかも知れないし、僕の様に子供の自分を思い出すなんて事も無いかも知れない。
けれど、この本は昔は良かった的な懐古本では無い。
バス釣りと言う世界を再び、あるいは更に広げ、深める為のとても素晴らしいツールだと思う。
是非液晶画面では無く、本物の紙に触れながら日本のブラックバスフィッシングの世界を想像し、感じ、また新鮮な気持ちで現代のバスフィッシングを感じてもらえたらと思う。
長々書いてしまったけど、とにかく誰が読んでも何か感じれる素晴らしい本です!
是非手にとってもらいたい。
そして、今回この本の発売とシンクロしたかの様なタイミングでリリースされる懐かし系フレーバールアーのMドランクも是非使って頂いて、タマタマルアーのちょっと古臭い世界観も一緒に味わって頂けたらと便乗してお願いしてみるww
宜しく☆