一人問答

虎目が過ぎてもはや虎なシングル&セミダブルグリップ!
ブライトリバーさんの追加ルアー!
ヘッドハンターズさんの追加ルアー!
ブライトリバーさんとヘッドハンターズさんのワンカップの追加とブライトリバーさんのグリップの仕上げ作業を。
今回この作業をしながら同時に作った追加ルアーがブライトリバーさんのカラーリングだったもんだから、作業しながらずっと亡くなった先輩の事を想いながらの作業になった。
僕がルアーの作り方もまともに知らない頃から色んな事を教えてもらった先輩。
若い頃からいっつもお金無かったから下道で大阪に通ってた僕に晩ご飯食べさせてくれて、帰りに食いながら帰れって屋台の饅頭とか土産に持たせてくれる様な、大柄な見た目とは裏腹の細やかな先輩。
そんな細やかな先輩の仕事は、おおらかなといえば聞こえが良くなる雑な性格の僕にはとても真似できるレベルじゃ無い繊細さで、憧れはしても追いかけることは出来なかった。
亡くなる前からずっとブライトリバーの作業を少しでも手伝えって誘われてたのはきっと僕がずっと変わらずお金儲けが下手なままだったのを心配した先輩なりの気遣いだったのか??
でも先に言った通り、先輩の仕事が繊細すぎるがゆえにとても僕には手伝える様な仕事では無いと思ってたから毎回はぐらかしてたんだけど、巡り巡って結局仕事を手伝わせてもらうことになった。
ルアー屋の僕が自分の作業以外の作業をするというのは本当にハードルが高い。
どんな風にこの材料を仕上げたかったのか聞いたこともないから、元スタッフの方に教えてもらったやり方で一生懸命やってみてる。
けど、ふとコレはどうだろ?って思う事があると必ず頭に浮かぶ「アホか!!そんなんアカーーン!!」って言う言われ慣れた先輩のお決まりの台詞。
きっとこのピンホールを見逃したらまた怒られるんだろな?とか、この磨き上がりは絶対に怒られるんだろな?とか…
追いかけても追いつくことのない技術。
マニュアルが残ってるわけじゃない感覚的な仕事。
伝統工芸ほど確立したものじゃない伝承工芸。
最後は感覚って分かってるんだけど、やっぱり僕が最後に聞きたいのは先輩の「えぇんちゃう、、」
怒られた事はあっても良いと言われた記憶は無い。
けれど、先輩がやって来た仕事に僕が手を入れるときっと違う仕上がりになるのは分かってても確認したくなって頭の中で聞いてしまうのだ。
「どんなです?」って。
答えは必ずお決まりの台詞だろうけど…
そんな一人問答をしながらもうすぐグリップ完成するので、またブライトリバーさんの方で出来上がった製品をご覧頂けたらと。