14タマタマ新作
やっと長い長い沈黙から目覚め、14タマタマシリーズの新作「ナンガパルバット」が完成しました!!!
前作のチョーオユーから約6年。
その間にコロナ拡大や工房の火事等があって、竹内さんと打ち合わせ(釣り遠征)がほとんど出来ない期間があったりしたので、
イメージをすり合わせる事が難しくて思う様にこのシリーズを作るまでに至れなかった。
満を持過ぎた今回のイメージテーマはナンガパルバット登山中に遭遇した赤い雷雲。
ナンガパルバットはパキスタンにある8126m・世界第9位の山。
この山でのエピソードから今回のルアーが完成したわけですが、まぁ今回のテーマは非常に難しかった、、、
雷雲と言っても、僕達が普段目にする雷雲と違い、超高層雷放電(レッドスプライト)って言われる高所でしか見られない稀な雷現象らしく、何かイメージのヒントにならないかと色々調べても、竹内さんみたいにその現象の真っ只中を登山してたなんて話は出て来ないもんだから、そんな経験した事無い僕の想像力ではなかなかイメージがまとまらないまま凄く時間が掛かってしまいました、、、
僕の目に見えない竹内さんの恐怖や不安、絶望ってどんな形なんだろう???形になるんだろうか?と僕の方が不安になりました。
そして、何も形に出来ないまま迎えた昨年、竹内さんと釣りをしながらゆっくり話した際にふと何か新しいイメージが降りてきて、
そもそもの赤い雷雲と言う目に見える雲や雷の実体では無く、形を変え迫り来るエネルギーとして荒々しく表現する事で竹内さんに襲い掛かる恐怖や不安、絶望を僕らが感じる事が出来るんじゃ無いかと思って形にしたのが今回のナンガパルバットです。
ルアー全体に赤と黒の線が織りなす不規則コントラストはどれひとつとして同じ柄は無く、形を変え表情を変えながら迫る絶望の渦の様に見える。
アゴに取り付けたメタルパーツは山の稜線をモチーフに冷たいナンガパルバットの姿を表現しました。
竹内さんのエピソードは以下
絶望と不安の光
今日の夜明けは永遠に訪れないのだろうか。
どれほど時間が経ったのか。いまだにヘッドトーチの小さな光に照らされる足元の雪面しか見えない。
どれほど歩いても、どれほど時間が経っても、なにも変わらない。
本当に自分は進んでいるのだろうか?本当にナンガパルバットの頂上に向かっているのだろうか?
光が欲しい。わずか一筋でも太陽の光が暗闇を切り開いてくれれば、なにか見えるかもしれない。
せめて自分の後に続いているはずの足跡を見せてくれれば、どれだけ時間が進んだかを知ることができるはずだ。
変わらない雪面を見つめながら息を整え、懇願するように東の空を眺め光を探した。
はるか暗闇の彼方に、一瞬なにかが光ったように見えた。
そして、その赤い光はまるで火打ち石を打ち合わせた火花のように飛び散りはじめ、
無音の暗闇に激しく連続しながら広がっていく。
なんの光だ?待ち焦がれていた太陽の光ではない。
幻覚を見ているのだろうか?それとも、あそこに何者かがいるのだろうか?
その無数に飛び散る火花に、猛々と湧き上がる雲の輪郭がシルエットとなって浮かび上がる。
得体の知れない不気味なエネルギーに満ちたなにかが迫ってきていた。
嵐だ・・・嵐が近づいている。
そこに太陽が昇ってくる空は無かったのだ。無数の赤い稲妻が飛び交う嵐の雲が音もなく襲い掛かろうとしていた。
光を待ち望む期待と希望は、絶望と不安へと突き落とされていった。
あの暗闇を彷徨うなかで、迫りくる嵐の雲に飛び交う赤い稲妻をタマタマルアーに再現しました。
~竹内洋岳~
こんな想いが込められたこの小さなルアーから全てを飲み込まんとする絶望のエネルギーを感じて貰えたらと思います。
販売に関しては、先行販売を近日中にOraora.DEPOで開始予定。
その後竹内さんの方でも販売と言う流れを予定しておりますので、販売開始のインフォメーションをお見逃し無くです!!!
また改めて販売開始の際にはインフォメーション致します。