緊急事態報告

長らく諸々ご報告をお休みしてしまいました。
少し前の事になりますが、タマタマルアーの工房が火事で全焼(工房部分は全焼ですが、建物としては半焼らしいです)しまして、火事当日から今日までバタバタしてしまって全くご報告が出来る余裕が無かったもので遅くなっていまい申し訳ありませんでした。
とりあえず火事の状況と現状をご報告させて頂きたいと思います。
5月18日午後にヘッドハンターズさん別注のチャドラップの最終コーティングを終わらせ、19日は乾燥待ちになるので、20日に出荷予定で段取りをして、コロナの緊急事態宣言が解除になったから久々に半日だけ休みにしてお昼ご飯がてら朝から友達とデイキャンプに出掛けました。
お昼ご飯を食べ、久々に外で過ごしてリフレッシュして、さぁコーヒー飲んで帰る準備をしようかと思っていた14時過ぎ、突然自宅から電話が掛かって来ました。
しかし状況がさっぱり伝わって来ない「火事だ!!」と言うキーワード・・・
やっと出て来た「工房が!!!」と言う言葉に一瞬で目の前が真っ白になって血の気が引いた。
とにかく大慌てで片付けて家の近くまで帰ってみると、かなりな台数の消防車と警察車両で家まで帰れない・・・
遠目では自宅と実家、周辺に炎も煙も見えなかったからひとつ安心したけど、工房を見るまでは崩れ落ちた工房が目に飛び込んで来ても良い様に最悪の状況を想像しながら早歩きで工房の前に戻った。
建物は建ってました。。
しかし、朝家を出てたった5時間で僕が毎日作業をしていた工房はすっかり変わり果てたと言う絶望感は心の準備をしていても目の前の情報を処理出来ないくらい大きくて重いものでした・・・
外見こそ損壊はしてないけど、明らかに真っ黒に焼け焦げた内部から放り出された瓦礫と化したありとあらゆる何か!
大勢の消防隊員さんが狭い工房を忙しなく出入りし、警察の捜査員さんも家族に聞き込みしてたり、いち早く駆けつけた近所の人達の姿も見えた。
中はどうなってるのか??恐る恐る近付くと、警察の捜査員さんに呼び止められ、僕の朝からの行動を聴取される。
そして消防署員さんにも同様に。
話を聞かれてるけど中の様子が気になって自分が何を話したのかすら定かじゃ無かった。
やっと中に入るよう促され、内部に何があったのか等の説明をしながら「ここにはどう言う物がありましたか?」と聞かれても、半日前とあまりにも変わり果てた景色に愕然としてレイアウトが思い出せないくらいの見事な瓦礫・・・
ざっと見渡した限りほぼ全てが焼失して無事な物は無い様に見えた。
当然電気はつかないので焼け焦げた室内は暗く焦げ臭いし、消火直後で足元にはまだ水が流れてて足元もよく分からない。
捜査員さんの懐中電灯ではサッパリ状況が分からないので、自分の車を取りに行って車に積んでたLEDランタンで中を照らして確認しながら聴き取りに答えた。
きっとテンパリ過ぎて変に大丈夫な素振りで対応していた様な気がする。
とりあえず一番気になった出荷前のルアーは全て燃えてしまっていたのを確認。
パソコンも燃えてしまったのを確認。
通帳関係は濡れてたけど何とか燃え残った。
決算書はコロナの件があったから商工会議所さんに中間決算してもらってたので無事。
その他の僕の仕事道具と釣道具はほぼ全滅。
僕に残ったのは車に積んで持って出てたキャンプ道具のみ・・・
しかし、この日はこれ以上は詳しく確認出来ませんでした。
翌日に科学調査班が来て現場調査が終わるまでは立ち入り禁止になり、現場の物を動かしてはいけないと言われました。
聴き取りが終わったすぐに直近の取引先各所に火事の連絡をして商品の出荷が出来ない事と当面仕事が出来ない事を伝えました。
翌5月20日は僕の45歳の誕生日でした。
44歳最後の日に僕のほぼ全ての物を火事で失い、文字通り「裸一貫」で迎えた今までの人生最悪であろう誕生日。
朝から現場調査が始まり、僕は再度前日と同じ説明をしながら現場の証拠写真を撮影したりして、半日掛りで現場調査が終わって、火事の原因を特定して言われたのが「蛍光灯の配線ショート」
しかも、18日まで作業していた塗装ブースじゃなくて、しばらく作業してなかった研磨ブースの蛍光灯の配線。
19日は出かける為の準備で工房に入ってはいたけど、研磨ブースの電気なんかつけてないし、出る時に全て電気を消して出てる。
それなのに、コロナの外出自粛や作業の忙しさでほぼずっと工房にこもってた僕が半日だけ休みにして出かけた数時間のタイミングで火事は起こってしまったと言う、運が悪かった意外言いようが無いような原因だった。
しかし、火事が起きたのは運が悪かったけど、運が良かったのは僕が休みにして出かけてた事、コロナ対策でたまたま妻が家に居た事、そのおかげでゆずも家に居たし、僕が出かけてるはずの工房で物音がすると言う異変に早く気が付いた事で通報が早く工房だけが燃えて家や周辺に被害が出なかった事。
何より誰もケガも無く無事だった事。
これに尽きます。
消防署員さんにも言われましたが、これがもしも深夜だったり偶然の条件が少しでも違ってたらこれで済んでたとは思えないと。
むしろこの現場状況でこれで食い止められた事が奇跡だと言われました。
正直、火事の一報から瓦礫の山になった工房を見て現場調査が終わるまではタマタマルアーはもお無理だと思ってましたし、僕自身どうするのか考える余裕もありませんでした。
そんな事もあってすぐに火事の報告も出来ませんでした。
火事の報告をしてしまう事で皆さんにご心配をおかけしてしまっても僕がどこたえたら良いのか分からなかったので・・・
しかし、火事の直後からすぐに火事の事を聞きつけた方々から沢山の励ましやお見舞い頂き、片付け等も駆けつけてお手伝い頂いたおかげで火事から10日で何とか瓦礫の山を片付け終わり、再スタートに向けて新たな一歩を踏み出せる所まで来たので、かなり事後報告になってしまいましたが報告させて頂きました。
正直な所、やっと片付けが終わっただけで再建のめどは全く立ってません、、、出荷前の商品が燃えた事で今月から当面生産も売り上げもありませんし、再建資金だけじゃ無く、再建後の資金のめどもこれからと言う状況なので、実際再建に向けて頑張ります!!って言ったは良いけどって状況ですが、とにかく過去が全部無くなったならこれから作れるのは未来しか無いと思って前に進むしか無いし、やらなきゃ!って言うよりもやりたい!!って気持ちがいっぱいなので、まずはタマタマルアーが復活出来るまでしばしお待ち頂けたらと思います。
長くなってしまいましたが、また追々色々とお話させて頂きます。