
まずは、本日通常発送分のジミー2の発送が完了して、明日には各店デリバリーされると思いますから、皆さんお盆休みには是非ジミー2で楽しんで頂けたらと思います。
シンプルなビジュアルですが、アクションの強弱やスピードにストレス無くトルクのあるドッグウォークをしてくれるので、シェードやベジテーション周りの距離の短いストライクゾーンでもバッチリアピール出来る頼もしいルアーですから!!
さてさて、頼もしいルアーと言えば。

今週の遠征前に作ったサンプルミノーですが、こいつが狙い通り、いや予想を超える活躍を今回のアカメ遠征で見せてくれました!!
まず、このルアーを作る以前の僕はアカメにチルダをチューニングして使う事が多く、チルダを使う事で僕等が狙うシュチュエーションで絶対に有利な事が何点かあったので、今回はチルダのアクションをヒントに、もう少しこんなアクションが欲しいと言う部分とサイズ感を自分が使い切れると思えるコンセプトで作った。
僕は本業がバスのトップウォータープラグだから、せいぜいバスプラグの延長で作ってるんだろ?って思われるかもですが、僕はスタイルとしてバスのトップウォーターが好きなだけで、本質的にはルアー(釣具)自体が好きなので、今回みたいにある程度深度があって、リトリーブでのアクション変化やイレギュラー時の姿勢や速度を考えてどの瞬間にバイトさせたいのかを考えたりするのは大好きなんで、アクションに関してはかなりな大真面目で作りましたからww
ただ、今回はその答え合わせが現地で出たとこ勝負になるのはかなり不安でしたけど。
タイミング的には新月の大潮後の中潮~小潮になるタイミング。
予想外だったのは台風8号の通過で天候が悪かった事。
しかし、恐らくだけどこの台風通過の影響は結果的に過去最高の状況を作ってくれたと思う。
高知入りした初日、台風がまだ九州地方を通過中で高知には風も雨も残り、外海はうねりがかなりある状況だった。
釣り開始の日没から満潮潮止まりまでの夜中までは雨も風も波もある状況で僕等が狙ってるエリアは結構まともに天候の影響を受けてました。
水温は26℃、何となくシャローの透明度が高い感じなのは雨の影響で水潮気味なのか?
期待してた満潮まででベイトがシャローに入って来るタイミングでの反応は無かった・・・
風が治まった深夜の干潮のタイミング、徐々に立ち位置を変えながら沖目のブレイクから手前のストラクチャーエリアをトレースする感じでキャストを繰り返してる最中チャドさんに突然反応が出た!
フッキング後から太い魚体が全身を出してテールウォークを繰り返す。
暗闇の中でもアカメだと分かる凶暴な引きとテールウォーク!
チャドさんにとって人生初キャッチのアカメが僕達の近くでドラグをジージー出しながら全身全霊で走り暴れ回る。
ボトムにストラクチャーが多いエリアなのでランディングに時間をかければ根擦れでラインブレイクの危険もあるので、とにかく魚が見える範囲までは一気に寄せてランディングチャンスを耐えて待つ。

何度も突っ込まれ、足元に寄ってからも凶暴に暴れ回ったアカメを何とかランディングして2人で歓喜したチャドさんの人生初アカメは申し分ないグッドコンディションの85cm。

ルアーは今回作って行ったミノー。
この時点でこのミノーは「チャドラップ」と命名!!!
アクションイメージを説明して、それを現地でシッカリと実践しつつ自分のスタイルに即変換できるチャドさんらしい対応力の高さが釣果に繋がったのは間違い無い。
僕らよりも年配の世代にとってアカメは単純に対象魚と言う域では無い特別な憧れがある。
近年釣果情報も多数になって幻の怪魚と言うにはやや身近な存在になっては来ているけど、それでも僕らみたいに短期遠征で確実に釣るのは難しい。
僕は初めて釣るのに6年通ったし、チャドさんも今回で6年目だった。
一緒に毎年通ってようやく初キャッチしたアカメをリリースした直後はチャドさんは大きくのし掛かっていたであろうアカメへの憧れと、釣れない重圧から一気に解放され、まさしく解脱した表情だった。
オッサン2人が明け方近い暗闇で握手をし、歓喜で抱擁する姿はなかなかの闇ではありますが、本当に自然とそうなってしまうほどにアカメは特別なんです。
そして、その日はそのキャッチをラストに夜明けになりタイムアップ。
僕にとってはチャドさんの初キャッチと共に自分のコンセプトがこの釣りに通用するかもと思えた事がルアーメーカーとして嬉しかった。
そして、その僕の希望的自信が翌晩確信的自信に変わる。
水温27℃で若干の濁り、風はほぼ無風、小潮で半月が見えるくらい空は晴れ、蒸し暑い。
満潮潮止まりまででかなりのベイトが接岸してるのが確認できる。
見渡す範囲にヘッドライトが多数見える事から、おそらく台風後のタイミングを狙っているアングラーが沢山だったんだろうと思う。
しかし、潮止まりから下げのタイミングになるとベイトが騒がしく無くなった。
反応は全く無いまま夜明けのタイムリミットへ折り返す。
下げ始めてトレースコースにボトムの障害物を頻繁に感じる様になった。
今回のミノー「チャドラップ」はイメージ的にはメインアクションはタイトロール、体高を活かして点滅効果でアピール。
肝はクランクやシャッドの様な障害物の回避性能で、障害物にコンタクトするとヒラ打って浮上。
回避後はスムーズにアクションに移れる様なジャークベイト的なレスポンスをセッティングしていたので、ボトムの障害物を感じたら少しテンションを緩めてヒラ打って浮上する間を作る感じで使う。
僕の過去のバイトも、今回のチャドさんの一本もストラクチャーに絡めたこの間で食ってくる。
一歩間違えばルアーロストする可能性もあるので、色んな意味で一番集中力を使う瞬間でもあるけれど、今回は浮上姿勢と速度を調整してたからストラクチャーを感じてからのアクションは信じて使い切れた。
そして、ボトムの何かしらにコンタクトした小さな反応、ラインテンションを緩めて回避させた直後ゆっくりとラインにテンションを掛けて行った。
のにすり抜けてない・・・どころか思いがけないくらい引っ掛かった感覚。。
ヤバイこれはルアー完全にスリットか何かにリーダーごと食われて浮上しないんだと思って、再度緩めてラインをフリーにした後テンションを掛けたけど全然抜けない。
やられた・・・ルアーロスト確定だと思って大きく煽って強引に外そうと思った瞬間ロッドに濡れた布団でも引っ掛けた様な違和感が!???
ボトムから重たい濡れ布団がヌル~と引き剥がされる様な感覚。
「チャドさんヤバイです・・・ルアー完全に引っ掛けた・・・」って言った直後、濡れ布団がいきなりフルパワーで走り始めた!!!???
意味が分からない!
どうしたのか?と聞かれても、今までこんなにゆっくりと魚とファイトが始まった経験が無いだけに「分かんない!」としか答えようが無かった。
その後はとにかく暴力的に引きずりまわされる。
ショアジギングタックルが完全にライトタックルみたいに思えるくらいパワーが足りない、、、
リールシートなんか握ってたら手首折れそうなくらいだから、フォアグリップ握ってグリップエンドはお腹に引っ掛けてるけど、バットどころかリールシートの前からロッドがブチ曲がっていつかは折れると思うくらい限界な感じ。
巻いては出されを繰り返しながらやっと僕らから20m以内くらいに来た時に初めて巨体がテールウォークした!!
デカイ!とにかく見た事無いくらいデカイ!!
それまで正直濡れ布団が原付くらいの勢いで走りまわってるくらいのイメージだったのが、魚体を見て初めてこれは本気でヤバイアカメだと思って現実を実感した途端緊張した。
ランディングまでは僅か5~6分くらいだったと思うけど、何度肘が攣りそうになって心折られかけたか。
ネットランディングなんて出来るサイズじゃ無い事が分かったので、ゆっくりと後退しながら浅瀬で横たわった魚体は1mは確実にある未知のサイズだった。

小学2~3年生の子供くらいあるwww
魚体を持ち上げて魚を見せたくても持ち上げる事すら出来ない。
すぐに水中で写真を撮って、サイズを測ったら120cm!重さは頭を持ち上げた時点でスケール振り切って計測できなかった。
(参考・ネットとかで見るとこのサイズだとほぼ20kgは楽に越えてる感じ)

僕にとってこんな巨大なアカメと出会えるなんて、しかも自分が作ったルアーでキャッチ出来たなんて、その事実だけで充分だった。
ホントならメモリアルフィッシュだから正確な重さとかも知りたいとは思ったけど、僕の自己満足の為に長時間キープして陸に上げてアカメに負担をかけるより、こんなエキサイティングな時間を共有したアカメを少しでも早くリリースしようと言う事にして、何枚かの大きさの伝わらない写真を撮って大きな魚体は暗い水面に元気に泳ぎ去った。

残ったのは数枚の写真と、カルティバSTX-45の#1が見事に伸ばされて傷だらけになったチャドラップと、力尽きて竿が振れなくなったポンコツの僕ww
これ以上無い釣果と感動でまたしても暗闇に紛れて抱き会うオッサン2人のディープさが今回の遠征の充実っぷりを物語っていた。
今回は釣果も嬉しかったけど、難しいアカメゲームを自分のイメージを形にして結果に繋げれた事の喜びが大きい。
サイズに関しては狙って獲ったとは言えないし、タイミングとか諸々まぐれかも知れないけど、唯一狙った釣り方で2人がメモリアルな出会いを出来たのは特別な意味のある遠征だったと思います。
これで今年のアカメ遠征の報告は終了!!
チャドラップは今後シッカリと調整してまた今後の為にブラッシュアップさせよう!